自然エネルギーは本当に無害なのか?
昨今はやれSDGsだの脱炭素だのと、環境の話が多いですね。
これからの自動車は全て電気自動車に移行することが世界的に決まっているようだし、エネルギーの元はますます化石燃料から電気へと移行する感じでしょうか。
更に暖房器具も石油ストーブからエアコンに切り替えられ、またネットサービスやクラウドサービスを提供するための膨大なデータを扱うデータセンターの増加など、これからも電気の消費量は増える一方で減ることはまず無いと思われます。
実際にAmazonやGoogleのデータセンターの消費電力は本当にヤバいレベルらしいですね。データセンターはサーバーなどのコンピューターの消費電力はもちろんの事、コンピューターを正常に動かすために室内を冷却するためのエアコンの消費電力がまた凄いのですよ。
一般にSNSと呼ばれるサービスはLINEやインスタ、TikTok、Facebook、ソシャゲ等も含めて全てはこの様な膨大なデータセンターによって成り立っていますので、まあ今後もデータセンターが増える事はあっても減る事はないでしょう。ならば今後も人類が消費する電力は確実に増え続けるはずです。
だって皆さんは節電のためにSNSやスマホが無くなる事には耐えられないですよね?
同様にしてAmazonや楽天などの通販サイトや動画配信サービスにしても今後、増えることはあっても減ることはないでしょう。
因みに量子コンピューターは消費電力を少なくする事が原理的には可能なのですが、これが普及するにはまだまだ時間が掛かります。
また量子コンピューターが得意な計算は用途が限られるため、現在の半導体を使用したコンピューターは今後もずっと継続して使われ続けることになります。
よってこれから人類が必要とする電気はより一層、増えることになるのですよ。
これについては誰も異論がないと思われます。
ということでこれから最も重要となるテーマは、“電気をどうやって作るか”でしょう。
当たり前ですが、火力発電で作った電気で自動車を走らせていては、石油を燃やす場所が車のエンジンから発電所に変わっただけですから意味がありません。
当然ながら石炭や石油などの化石燃料に頼らない発電をしなければ、脱炭素社会にはなりません。
そうなると現時点で最も現実的な発電方法は原子力発電ですが、知っての通りそれも日本ではゼロにするつもりのようだし、ヨーロッパ等でも減らす方向に努力するそうですね。
データセンター等のコンピューターサーバーの増加と電気自動車への移行だけでも今後、必要とされる電気は爆発的に増え続ける事になるはずです。
なのに火力発電も原子力発電も禁止となると、一体どうするのでしょうか??
そこで登場するのが”自然エネルギー”だとか”再生可能エネルギー”と呼ばれるものですね。
まあ私はこれらだけで今以上に増える全ての電力をまかなう事に対しては懐疑的なのですが、仮に今回はそれらだけでやる事が決まったと仮定しましょうか。
これらの再生可能エネルギーで現在ヨーロッパを中心に進められている物を具体的に言うなら、太陽光発電や風力発電でしょうか。
ふむ……。
これらを使った発電は二酸化炭素も出さないし、原子力発電の様な事故の危険もなければ放射性廃棄物も出しません。確かにクリーンで環境に優しく、地球に無害なイメージがありますね。
では仮にそれらだけで人類が必要とする全エネルギーがまかなえたとして、これらの発電方法は本当に地球環境に対して無害なのでしょうか?
おそらく自然エネルギー論者はこれらが“完全に無害”だと考えているはずです。
今回はこれについて少し科学的に考察してみましょう。
そもそもですが、、、地球に存在しているエネルギーの源って何だか知っていますか??
例えば化石燃料にしても天然ガスにしても水力にしても風力にしても太陽光にしてもです。
実は原子力と地球生成時に作られたマントルの熱エネルギーを除けば、地球上に存在する全てのエネルギー資源の源は太陽なのですよ。
石炭や石油などの化石燃料は文字通り昔の生物の死骸などから出来た物だし、天然ガスも有機物、つまり生物から作られたものです。
そして生物には食物連鎖があり、植物が存在しなければ他の生物は存在できません。
更に植物がどうやって大気中の二酸化炭素から有機物を作っているかというと、昔に学校で習ったとおり光合成です。
そう、つまり全ての生物は元を辿れば太陽のエネルギーから作られているのです。
つまり化石燃料も天然ガスも、昔、地球に降り注いだ太陽のエネルギーを時間差で使っているだけなのです。
また水力発電は現在の太陽のエネルギーをほぼリアルタイムで使っていますね。海の水を蒸発させて雨として陸地に降らせているエネルギーの源は当然ながら太陽です。
要するに元から地球にあったウランを使った原子力発電とマントルの熱を使った地熱発電を除いた全ては、実は太陽のエネルギーを使った発電なのです。
なので今までもずっと、広い意味では太陽光発電をしていたとも言えるでしょう。
ではそれを知った上で、太陽光発電と風力発電について考えてみましょう。
まずこの宇宙には絶対的な物理法則として、”エネルギー保存則”という物があります。
つまり”無“からエネルギーを生む事は出来ませんし、どこかでエネルギーを取り出すとその分元のエネルギーは減る事になります。
現時点で地球に降り注いでいるエネルギーは唯一、太陽光だけであり、それ以外にはありません。
よって太陽光発電と風力発電というのは、そのエネルギーの中の一部を取り出す物だと言えますね。
確かに少しだけなら何の害もないでしょうが、人類が膨大なエネルギーを半永久的に取り出し続けたらどうなるでしょうか??
例えば太陽光発電ならば、本来太陽光が当たるはずだった地面に発電パネルを置く事で、地面に太陽光が当たらない事になりますね。少しだけならともかく、膨大な地面を覆ってしまったら本当に副作用はないでしょうか?
本来は地面に届くはずだった太陽光が届かなくなっても、本当に地球環境には何の変化もないのでしょうか?
1つ思考実験として、地球の表面の殆どを“鏡”で覆ったとしてみましょう。そうすると一体地球環境はどうなると思いますか?
鏡は地球に降り注ぐ太陽光の殆どを跳ね返してしまいますね。実際に昔の氷河期には地球を雪や氷が覆ったことでこれらが鏡の様な効果を発揮してしまい、地球の寒冷化に拍車をかけたそうですよ。
今の地球環境は、入ってくる太陽光による熱と出ていく熱の量が絶妙のバランスの上に成り立っています。それをもし鏡なんかで覆ってしまったら、きっとたちまち氷河期の様になることでしょう。
同様にして本来なら地球に降り注ぐはずだった太陽のエネルギーを太陽光パネルで奪いすぎると、似た様なことが起きるとは思いませんか?
もちろん環境に与える影響は奪う太陽エネルギーの量によりますが、これからの人口増加や全ての自動車のEV化、上記のデータセンター等の増加を考えると、必要な電力の全てを太陽光発電だけでまかなおうと思うととてつもない量になるはずです。
私も具体的な計算はしていませんが、火力発電と原子力発電をゼロにして今までそれらが発電していた分にプラスして、全自動車のEV化やデータセンターの増加などを考慮した時に、今後必要となる電力をまかなうためには一体どれ程の太陽光パネルで地球を覆うことになるのか、概算でいいから計算した学者さんっていないのでしょうかねえ?
データさえあれば、この計算はそれ程難しくはないはずです。
そして本当にそれが文字通りに、“持続可能”なのでしょうか?
また同様にして風力発電だってエネルギーが保存する事を考えれば、風車は風からエネルギーを奪っている訳なので、本来の風が持っていたエネルギーは減る事になりますね。
実は台風のような風というのは害を及ぼすだけでなく、地球にとってとても重要な役割を果たしています。具体的に言えば、暖かい赤道付近から南極や北極方向に向けて大気を循環するという大事な役目を負っているのですよ。
なのでこれも少しだけ風のエネルギーを貰うなら何の害もありませんが、膨大に奪ったらどうなるでしょうか??
地球上で本来、吹くはずだった風が吹かなかったり弱まったりする事になりますね。
皆さんはこれらが地球の気象や生態系に本当に何も影響を及ぼさないと思いますか?
地表に降り注ぐはずだった太陽エネルギーや風のエネルギーの一部を奪っても、本当に何の害もないのでしょうか?
二酸化炭素による温室効果やフロンガスによるオゾン層の破壊が始めは誰も予測できなかったように、これらについても実際にやってみないと分からないのではありませんか?
おそらく現時点でこの問いに答えられる人は居ないと思います。なぜかって、気象の計算はあまりに複雑で難しすぎるからです。もちろん、私にも分かりません。
だた人類が要求するエネルギーがあまりに増えると、全く予期していなかった何らかの影響があるような直感を私は持っています。
上記の通り、現在の地球というのはとても絶妙なバランスの上に成り立っているというのが私の考えですので。
太陽光パネルを作るために必要な電力やその寿命、廃棄の問題については一部で言われているものの、基本的に自然エネルギーはとにかく無害で環境に優しいという意見ばかりで、この様な意見を言う人を見た事がないので今回は問題提起のために書いてみました。
因みにですが……、
以下、私見を書かせて頂くと、現在行われている世界的な再生可能エネルギーへのシフトは純粋な政治の話だと思っています。
日本人がオリンピックで金メダルを取ると競技のルールが変わるのは有名な話ですが、同様の事を政治の世界でやっているんだな、というのが私の解釈です。
さて、皆さんはどう思いますか??
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