この宇宙は連続的ではなく離散的
皆さんは学校の数学で以下のように習ったと思います。
数字の1を半分にして、更にそれを半分にして……という作業を繰り返して行っても「はい、もうここで終わり。これ以上は割れません」というポイントは無いと。
数学的には数字を無限に割っていく事が出来るし、どこまで割っても0に近づきはしますが決して0にはなりませんでしたね。
よって例えば時間の1秒を割っていっても無限に小さな時間になるし、1mの長さを割っていっても無限に小さな長さになりますね。“アキレスと亀のパラドックス”なんかは、これを元にして考えられたものでしょう。
確かにその知識は正しいものです。では”実際のこの世界”はどうなっているのでしょうか?
結論から言えば、この世界には時間にも長さにも最小の単位が存在します。更に言えば、光のエネルギーだって周波数が決まっていれば最小のエネルギーなるものが存在します。
つまり、
この宇宙は時間も空間も連続的ではなく、実は離散的
なのです。これを別の言葉を使って言うなら、この宇宙はアナログ構造ではなくデジタル構造なのです。
無限に小さく割れるのは数学の世界だけであり、現実の世界では「これ以上割れない」場所がある事になります。
例えば物理用語では最小の時間の事をプランク時間、最小の長さの事をプランク長と言ったりします。
厳密に言えばこれ以上割ることが出来ないと言うより、それ以上小さなものに物理的な意味が無いといったイメージです。
当然、最小単位よりも小さいものは観測する事も出来ません。
例えばあらゆる素粒子を構成する超弦理論の“ひも”の長さは、プランク長程度だとされています。確かにそれより短い長さには意味がなさそうですね。
では次に、最小の時間についてはどう理解すれば良いでしょうか?
ここで一つの例を出してみましょう。我々が見ている地デジのテレビはフレームレートが約30fpsです。つまり1秒間に30枚の静止画を描いて動画に見せているわけですね。
という事は1枚の静止画を表示している時間は 1/30秒 = 0.033秒になります。
さて、ではこのテレビ画面に0.01秒間だけ点灯する電球を表示させるとしましょう。果たして電球はどう見えるでしょうか?
一つのフレームが0.033秒間表示されているのですから、この電球が点灯されている時間は最低でも0.033秒間に見えるでしょう。
或いはたまたま点灯するタイミングがフレームをまたいでしまって倍の0.066秒間点灯しているように見えるかもしれません。
よってこのテレビを見ている人が電球の正しい点灯時間を計る事は不可能なのです。乱暴に言えば、テレビを見ている人には0.033秒未満の時間は測定も出来ないし、存在していないのと同じなのですよ。
ついでに言うならば、大きさ(長さ)についても似たような事が言えます。
液晶テレビは小さなドットが集まって出来ている事は皆さんも知ってますよね?
テレビはそのドットにそれぞれの色を付ける事で映像を描いているのですが、当然ながら一つのドットよりも小さな物を描く事は出来ません。どんなに小さい物であっても1ドットの大きさになってしまいますからね。
これは以前にフラクタル理論の話で触れたとおりです。
プランク時間とプランク長の話はこのテレビの例と同様だと考えるとわかりやすいでしょう。
つまり我々の宇宙には最小の単位があって、ミクロで見ると時間も空間も滑らかではなく実はカクカクなのですよ。
この事実は色々な事を示唆しているし、色々なイマジネーションを私たちに湧き起こさせるとは思いませんか?
戻る トップページ