ディープラーニングって本当は何が凄いのか
AI(人工知能)の世界に史上最大のブレークスルーを起こしたと言われる技術、ディープラーニング。
2012年頃にディープラーニングが登場してからというもの、AIの進歩は目覚ましいですね。
将棋や囲碁の世界ではコンピューターが世界チャンピオンに勝ってしまうなど、もう人工知能は人間の敵ではなくなってしまいました。
その他にもディープラーニングは様々なところで使われています。
音声認識や顔認証。写真の分析から言語の翻訳に至るまで、従来のAIからは一皮むけた性能になっています。
はっきり言って既に人間の能力を遥かに超えたものもたくさんあります。
中国で採用されている顔認証システムなんかは良く話題になりますね。
1秒間に数十人の顔を99.5%以上の精度で認証するなんてことは、明らかに人間には不可能です。
ディープラーニングの説明は、メディアなどでは画像認識の精度が上がった程度の紹介が多いですね。まあその他ビックデータとの組み合わせの話もしていますが、ディープラーニングの成功が“一体何を示唆しているのか”については誰も語っていません。
具体的に“何に使えるか”といった低レベルな話が多いのが現状でしょう。これは、メデイア業界には文系の人が多いからなのでしょうかねえ?
でも実はこれらは、とてつもない事実を我々に突きつけているのですよ。
私はディープラーニングが成功したこと、つまりうまく動いていることは科学的、或いは哲学的にも非常に重要なことを示唆していると考えています。
それが示唆している内容とは、
「この世界は全て、数学で出来ている」
ということです。そして、そのことを理解している人が多くありません。一応、元コンピュータープログマーの私もディープラーニングのアルゴリズムやコードを見てみましたが、率直な感想は「世の中にはとてつもなく頭のいい人が居るなあ」でした。そしてそれと同時に、何かが「終わった」と思いました。
おそらくディープラーニングはAIの最終的な基本アルゴリズムとなると私は考えています。これはきっと世界の森羅万象、すべてを網羅するだろうと。(もし次のアルゴリズムが発明されたとしたら、それは人間ではなくAIによる発明でしょう)
その仕組を簡単に言うなら、ディープラーニングはこの世界が全て数式の組み合わせで表せると仮定していて、その数式の組み合わせを見つける手法です。
それが画像であっても音楽であっても、言語や人々の行動であってもです。
その結果がこれほど、人間以上の精度で正確だということは、万物が数式の組み合わせで表せる、つまり万物は数学で出来ていることを示唆していると考えられるのです。これはとてつもない事実でしょう。
例えばモーツァルトの曲であっても、ゴッホの絵であっても全ては数式で表せるので、AIがモーツァルトの新曲を作ってしまったり、ゴッホの新作の絵を描くことが出来るのですよ。
モーツァルトやゴッホの作品の特徴を全て数式化(これを特徴表現と言ったりします)しているのです。
よってこの世界には数学的に表せない支離滅裂なものや不確定なもの、偶然のものは無いように見えます。
もしもディープラーニングによって表せない分野が発見されたならば、それは数学で出来ていない分野の発見となるでしょう。
それはそれで衝撃の発見になるのです。
例えば人の心なんかはどうなのでしょうね? 全部数学的に決まっているのでしょうか?
そんな事を考えてみるのも面白いと思います。これについての私の答えは、今回は言及しないでおきます。
是非、皆さんも考えてみてくださいね。
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