新しい解釈
さて、この世界と宇宙の真理 書いた“コンピューターが作っているニセモノ”という表現は、一般向けの分かりやすい言葉にしたために少々砕け過ぎた言葉でしたかね。
ですが数学や数式を処理する機械の総称というのは”計算機”であり、現代に於いて一般にそれらのことを”コンピューター”と呼びますね。
ですが“ニセモノ”という表現は俗語っぽいし、あまり正確ではないかもしれません。
つまりそれ自体が一般に言う“物質的な意味では”実在はしておらず、コンピューターが作っている“イリュージョン”、或いは“バーチャルな存在”とでも言うべきでしょうか。
もう少しだけ正確な表現をするなら、ホイーラーが言ったとおり”情報”とも言えるでしょう。
私は昔、“この世界は全てコンピューターが作っているイリュージョンである”という考え方のことを、量子力学の“解釈問題”になぞらえ“FPS解釈”と名づけていました。
FPSとはファーストパーソン・シューティングゲーム(一人称視点で行うコンピューターゲーム)の略で、今でも人気の高いゲームジャンルです。最近ならばフォートナイトやエーペックスレジェンズなどが人気ですね。
これらは3DのCGで描かれた世界を、自分の視点でリアルタイムに駆け巡ることが出来るゲームです。
因みにこの命名の理由ですが、私は初代DOOM(笑)の時代からFPSが好きだったので、この世界観がFPSゲームに良く似ていると思ったからです。ですが現代に於いてはもっとこの世界観を例えるのに適切なツールが出てきましたね。
それは言うまでもなく”VR(バーチャルリアリティー)”です。
なのでこれからここでは、この考え方のことを
“VR解釈”
と呼ぶことにしましょう。或いはこの仮説のことを
“VR仮説”
と呼ぶこともあると思いますが、どちらも同じ意味です。昨今はVRと同様のもので“メタバース”なる言葉もバズっていますが、これは定義が曖昧な上に言葉が定着するかどうかがまだ分からないので採用を避けました。
(この“VR解釈”を感覚的に一番簡単にイメージする方法は、映画の“マトリックス”を見ることだと思います。異なる部分も多く有りますが、世界観をイメージするのには最適でしょう)
因みに“VR解釈”という名前は、先述の量子力学における”二重スリット実験”や”シュレディンガーの猫”などの解釈問題で主流である、“コペンハーゲン解釈”や“多世界解釈”に対抗して作ったものです。
今まで述べてきたように、コペンハーゲン解釈は”波動関数の収縮”という数学的な矛盾(数学的に収縮しない事が証明されている)を抱えているし、多世界解釈にいたってはパラレルワールドが無数に増えていく上に他の世界と情報をやりとりすることは不可能といった反則的な物で、どちらも間接的にすら検証は不可能だし、理解している人など物理学者の中にも居ませんでしたね。
それと比べれば”VR解釈”はずっと綺麗に、量子力学の不思議を説明することが出来ると私は考えています。
また同様にしてこの解釈は、宇宙の仕組みやこの世界の物理法則がファインチューニングがされている理由などについても綺麗に説明できると思います。
そうです。一言で言うとこのVR解釈は、この世界が、宇宙が、
「どうなっているのか?」ではなく「なぜこうなっているのか?」という問いに始めて論理的に答えられる
のですよ!ではこの解釈に至った経緯、この解釈の具体的な内容、そしてこの解釈が我々に何をもたらし、どんな疑問に答え、人類のどんな問題を解決してくれるのかについて、これからじっくり書いていきましょう。
戻る トップページ