ルッキズムはもうすぐ終わります
ルッキズムとは直訳すると「外見至上主義」という意味ですね。
つまり人の容姿を極端に重視する主義でしょうか。
人間は昔から外見を気にしていましたが、それが極端になり過ぎる事への反発が昨今では起きているようですね。つまりルッキズムを否定することもポリコレの一部となっているようです。
例えばテレビなどでも昔は女性芸能人のブスいじりの様なことが当たり前に行われていましたが、今はそれらはポリコレ的にNGなんだそうです。
同様に「デブ」や「ハゲ」といった言葉もテレビでは禁止されているようですね。
因みに私の肌感覚では、ネットとSNSの普及によってルッキズムはより助長されたと思われます。
以前にIT革命は本当は何を変えたのか?に書きましたが、ネットが普及したことにより以前は価値があった「村で一番の人」や「町で一番の人」に価値が無くなったと言いましたね? どうやらこれは容姿についても当てはまるようです。
昔ならば学校で一番かわいい子や職場で一番の美人ならばたいそう男性にモテたものですが、現代に於いてはインスタやTikTokの様なSNSに素人でも優れたビジュアルを持つ女の子がたくさん居るおかげで、少々のルックスではあまり可愛いとか美人だと思われなくなってしまいました。
ITのおかげで容姿についても、全国でトップレベルの人が身近になったしまったのです。
そのせいで恐らく女性のビジュアルの平均は昔と比べて大幅に良くなっていると思います。
きっと日常的にネットに触れている女性たちはちょっとやそっとでは自分のビジュアルに満足出来なくなり、メイクの技術を向上させたりダイエットに励んだりしているのでしょう。
そしてそれは男性にも当てはまりますね。男性も昨今ではビジュアルがとても重視されるようになった気がします。
まあ昔だってビジュアルが良い男性は女性にモテたものですが、昨今では昔と比べてビジュアルの占める割合が大きく増えている気がします。おかげで若い男の子達は自分のビジュアルにとても気を使っているようですね。
このルッキズムが過度に進んだことが良いことなのか悪いことなのかは私には良く分かりません。
ですが日本に限らず最近ではポリコレ的にルッキズムに反発する傾向が極端に強いように思われます。
例えばアメリカではディズニーの「美女と野獣」のミュージカルで、美女の「ベル役」が黒人の太った女性という訳の分からないキャスティングを故意にしているようですね。「訳の分からない」というのは人種差別的な意味ではなく、原作の設定(昔のフランスが舞台)に合わないので多くの人にとって違和感があるという意味です。
図1 ディズニーの描くベル
図2 ミュージカルのベル役の女性
また日本に於いても例えばこんな事を言ったら怒られるかも知れませんが、NHKのニュース番組のアナウンサーのビジュアルが昔と比べて明らかに落ちている気がします。
NHKのアナウンサーなんて毎年就職希望者が数千人単位で応募してくるらしいので、容姿も頭脳も声も全てが揃っている女性を採用することなど容易なはずです。
なのできっとこれもNHKがルッキズムに対抗するために故意にやっているのだと思われます。実際に昔は、男性はともかく女性アナウンサー美女ばかりでしたので。
話が逸れましたがとにかく、現代は日本だけでなく世界的にルッキズムに反発する風潮があることは確かでしょう。
ですが今後は
何もしなくてもルッキズムなんてものは、勝手に無くなる
と思われます。その理由は言うまでもなくAIの進化です。
これは男性についても当てはまる話ですが、今回は女性の話にフォーカスしてみましょう。やはり時代や国を問わずルッキズムは女性に対してより強く影響を与えますからね。
画像生成AIの「stable diffusion」などが描いた絵を見れば明らかですが、AIの描く女性は写真と区別が付かないほどリアルな上に「文字通り完璧」です。
AIの描く女性は完全に左右対称の顔に完璧なスタイルで、また老化もしません。肌が荒れることもシミが出来ることもありません。
図3 AIが作ったグラビアアイドル「さつきあい」
このAIで作られた「バーチャルヒューマン」の女性が今は自由に動いたり話したりすることが出来るのですよ。
彼女たちはAIなので例えばアナウンサーになって原稿を読むときに間違えることも噛むこともありません。太ることもむくむこともなければ、老いることもありません。
また風邪を引くこともなければメンタルも常に安定しています(しているように見える)。
ついでに言えば、不倫や炎上発言などのスキャンダルとも無縁です。
良く昔は「アイドルはトイレにも行かない」などと言われていましたが、AIならば本当にトイレにも行きません。
また裏で人の悪口を言うこともありません。とにかく本当の意味で完璧なのですよ。
恐らく日本一のルックスを持つ女性をもってしても、今後はAIには敵いません。
例えば万国共通で美の基準とされている「顔のシンメトリー性(左右対称性)」などは人間には限界がありますが、AIならば0.1ミリ以下のレベルで容易に揃えることが出来ます。
IT革命後は「一番の人以外には価値が無くなった」と言いましたが、今後はSNSに載せているどんな女性の容姿をもってしてもAIと比べると見劣りするのですよ。
つまりこれをもって、
ルッキズムは終焉
となるわけです。それも全員が美しくなる方向ではなく、全員が醜く見えるようになる方向での終焉です。
これを砕けた言葉で言えば「優れた容姿をSNSやテレビで見せてマウントを取っている女性たちは消滅する」、ということです。
AIはあっという間に人間の知能を超えますが、まさかの容姿についてもこれは成り立つということです。
実際に私は「stable diffusion」を使って作られた女性の画像を見たり、或いは自分でも色々な画像を生成してみました。
そのせいか昨今では昔は美しいと思っていた女優さん達の容姿が美しいと感じなくなってきました。これについては自分でも驚いています。
図3 これは写真ではなく「stable diffusion」を使って私が自分のPCで描いた画像です。描くのに掛かった時間はものの数秒です。因みにこの画像には私の好きな女優さんの顔の要素(Lora)を数十パーセント混ぜてあります。
私は昔からコンピューターを使うことによる影響を普通の人よりも先んじて経験してきました。例えば私はワープロばかりを使っていたら漢字が書けなくなるといった経験を90年代前半から既にしていました。
当時は「信じられない」とバカにされたものですが、今では皆がそうではありませんか?
よってこの「AI画像を見ることにより生身の人間が美しく見えなくなる現象」はこれから皆にも起こると思われます。
結果として例えばAIだけのアイドルグループが誕生し、残念ながら生身のアイドルは居なくなるか、少なくとも下火になるでしょう。
同様にして女優、アナウンサー、モデル、これらの容姿を売りにする職業は近い未来に無くなるか、少なくとも減ると思います。
そしてこの現象は、当然ながら男性に対しても同様に起きるでしょう。
私が「既にチェス盤の後半に入っている」と言っている理由が分かりましたか?
ルッキズムが「容姿の優れない人達を積極的にテレビやメディアに出す活動」で終わるのはなく、逆にAIによって作られた「ブッチギリの優れた容姿を持つバーチャルヒューマンの登場によって生身の人間が全て不細工に見える」ことで終焉するとは何とも皮肉な結果ですね。
まあとにかく、これからの時代は外見はあまり重要ではなくなるということです。
生身の人間の外見なんてたかが知れているのです。
なのでこれからは外見以外のことを磨くのが賢い選択でしょう。
ん? たまには柔らかいネタをと思ったのですが、今回は少し砕けた内容にし過ぎましたかね?(笑)
戻る トップページ