皆さん気づいていますか?


かねてから私が何度も述べている“満腹パイの時代”ですが、皆さんは既にその時代に少しずつ移行していることに気づいていますか?

私の知る限り、満腹パイの時代に対して本気で危機感を持っているのは私(とパスカル)だけだと思われます。
今や“シミュレーション仮説”については信じている人が結構居そうですが、満腹パイの時代について私と同様に脅威だと感じている人は全く存在しないようですね。
これは私にとってはとても不思議なことであると同時に、怖く感じています。

皆さんは満腹パイの時代はとても良い時代で、人類にとってパラダイスだと思っているのでしょうか?
或いはそもそも、そんな時代は来ないと思っているのでしょうか?


おそらく、多くの人は私の言葉で言うところの満腹パイの時代が「いつか来る」とは思っていると思われます。また生成AIに代表される昨今のAIの進歩を見ていると、その時代が思っていたよりも早まるのではないかと考えている人も居るかも知れません。

ですが人類が労働から解放される時代が来ることに対して、ネガティブなイメージを持っている人はほぼ居ないようです。
だからこそ、それを止めることなどは誰も考えないのでしょうね。
我々の社会はどこに向かっているのか?に書いた通り、やはり人類は合理化への道を突き進むのがサガのようです。


満腹パイの時代が来ることに対して危機感を持つ人が少ないのは、おそらくその時代をリアルに想像することが難しいからだと私は考えています。それどころかむしろ毎日忙しく仕事に追われている人からすれば、人間が労働から解放される時代はパラダイスだと思っても全く不思議ではありません。

もしも本当にAIを搭載した機械が人間の代わりに全ての労働をこなしてくれれば、我々は毎日、朝も目覚まし時計に起こされることなくいつまでも寝ていられるし、食事の準備も洗濯も何もやる必要がなく、毎日ゴロゴロと寝っ転がって朝から晩までテレビやネットでも見ているだけで良いのですからね。
そしてそんな生活を寿命で死ぬまでずっと続けることが出来るのですから、それはさぞかし“楽”な世界でしょう。

例えるなら満腹パイの時代は、現代に於ける「引きこもりニート」の生活を全ての人が死ぬまで送ることが出来る時代とも言えるでしょう。

その是非については今回は述べないとして、ここで少し話題を変えます。

皆さんは現代の社会に於いて、無料のものが少しずつ増えてきた事に気づいていますか?
例えばGoogle等が提供する各種サービスは、検索や地図やメールからクラウドからYouTubeまで、全て無料で使用することが出来ますね。
またスマホのアプリも無料で便利なものが多くあります。Lineだって無料です。

その他にも、ChatGPTやStableDiffusionの様な生成AIだって無料で使うことが出来ますね。また昔だったら雑誌を買わなければ読めなかった記事も、今ならネットでかなりの所まで無料で読める様になっています。
特にパソコン用のソフトは、ビックリする様な高性能なものが無料で多く提供されていますね。むしろパソコン用ソフトはOSとOffice製品以外は無料が当たり前で、有料だと「お金取るのかよ」と思う人が多いのではないでしょうか?

若い人は知らないかも知れませんが、私がコンピューターを学んでいた時代には、コンピューターのソフトやサービスは有料なのが当たり前でした。しかもそれらはかなり高価でした。
特にプログラミングをするために必要なコンパイラなどの開発環境はとても高価でした。
ですが今ならば、済まそうと思えば無料のものだけで全て済ますことが出来ますね。昔を知る者からすると、これは信じられない状況なのですよ。

どうしてそうなっているのかはビジネスモデルを含め色々な要因もありますが、コンピューターや通信技術の進歩が明らかに一つの要因であることは間違いないでしょう。

そして理由はともかく、無料のサービスが増えている現代は、AIが人間の代わりに働く時代を疑似体験していると言えると思います。

そしてその疑似体験をよりリアルにしたのが「コロナ禍の巣ごもり」だと私は考えています。
この時期は仕事も業種によってはテレワークを行いましたよね?
もちろんテレワークは働かない事とは異なりますが、毎日通勤して職場に行くことに比べれば満腹パイの時代に近いと言えるでしょう。
そして外出出来ないコロナ禍では、家にこもってゲームをしたりYouTubeやNetflixを見ていた人が多いのではないでしょうか?

これらはもちろん満腹パイの時代にはほど遠いですが、何となくそのイメージを掴めたのではないかと私は思っています。
テレワークこそすれ、毎日家にこもって無料アプリやネットの無料サービスを見たり使ったりして過ごす。

さて、そんな生活が皆さんは快適でしたか? もちろんコロナ禍の巣ごもりは外出したくても出来ませんでしたが、もし仮に外出しても良かったとしたら、仕事でもないのに毎日欠かさず外出するでしょうか?

きっと将来的には、趣味のことも殆どが家で出来る様になると思います。ええ、スポーツだろうが登山だろうが釣りだろうが友達とのおしゃべりだろうが、近い未来にきっとリモートやVRで出来る様になるでしょう。
趣味であっても、その方が合理的です。リモートやVRならば趣味のために出かけて交通事故に遭うこともありませんし、現地までの移動の様な、やりたい事とは関係ない事で疲れることもありませんからね。
そして人が合理化に抗えないことは先述の通りです。


では実際にコロナ禍はどうでしたか?
まず外出自粛期間中に、多くの自殺者が出たことは知っていますね? 以前に芸能人など有名人に多くの自殺者が居たことも書きました。
もちろんコロナ禍の自殺は商売上の理由や経済的な理由など色々な要因がありますが、中には単純にうつ状態になって自殺した人もきっと多かっただろうと私は予想しています。

コロナ禍では「テレワークは楽で助かる」と言っている人が多かったですが、テレワークの導入後にビックリするほど死人が出たことを知っていますか?
もちろん自殺ではありませんよ。単純に病死する人が増えたのです。
ある会社ではテレワーク導入後にあまりに死者が出たので、慌てて出勤する様に変えたほどです。

そして不思議なのは病死と言っても特定の病気ではなく、様々な疾患での死者が出たことです。その理由として、テレワークでは歩かずに同じ姿勢で仕事をしているから、エコノミークラス症候群になった人が多かったのではないかといった考察もありましたが、私は異なると考えています。

病死した彼らには、恐らく体から「死ね」という命令が来たのだと思っています。

「我々は生きるために仕事をしているのか? それとも仕事をするために生きているのか?」などと問うことがありますが、一つだけ確実なことが言えます。

それは、

人間は仕事によって生かされている

ということです。

これは、幸福についての話より更に奥にある話です。
そしてこれから満腹パイの時代に向かう我々は、きっとその事実と嫌と言うほど向かい合うことになるだろうと予言しておきます。


要するに私の予想では、全ての人が仕事を失う満腹パイの時代は「地獄」だということです。
私のこの予想だけはなぜだか全く受け入れられないようですが、コロナ禍の時期を思い出すことが恐らく満腹パイの時代をイメージするための一番の近道だと思います。


近未来を想像することに興味がある方は、更に少し想像してみて下さい。
おそらく満腹パイ時代への次のステップとして、毎月の携帯料金の無料化、最低限の範囲内の電気代、水道代の無料化。そして国から毎月決まった量の米が無料で支給される様になる。
そして次に田舎や郊外の家賃の無料化(或いは空き家の提供)となれば、ただ生きるだけなら殆ど働かなくても生きていけそうですよね?

或いは別の解として、国から一人あたり毎月15万円のベーシックインカムが貰える様になるかも知れません。
15万円で生活するのはキツいと思うかも知れませんが、結婚すれば世帯収入は30万円で、子供を二人作れば60万円になります。
なので実は余裕で生きていける額なのですよ。

そして既にその時代に少しずつ移行していることに、皆さんは気づいていますか?


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